飲食店では、一般のお客様には通じない特有の言葉がよく使われます。これらの言葉は、厨房器具を指したり、短い言葉で意思疎通を図ったり、お客様に聞かれたくない内容を表現するために使われます。
お店では日常的に使われているので経験あるスタッフには馴染みがありますが、新しく入ったスタッフには初耳の言葉が多いものです。オペレーションを回すために教えなくてはならないものの、一度にすべてを教えても覚えきれるものではありません。かといって都度都度教えるのは非効率。
この記事では、飲食店特有の言葉を解説していきます。地域や料理のジャンルによって違うこともありますが、よくある例を紹介しますので、新人スタッフに覚えてもらう用語集としてご活用いただければ幸いです。
飲食業界用語<ホール編>
アイドルタイム
お客様の来店が少ない時間帯のこと。「モーニング・ランチ・ディナー」の時間帯を除いた15時〜17時くらいの時間を呼ぶことが多い。
ウェイティング
客席が満席で待っているお客様がいること。
カトラリーorシルバー
ナイフ、フォーク、スプーンなどの食器のこと。金属性のものを指すことが多いが、そうでない場合もある。
カスター
塩・胡椒・爪楊枝などの調味料や小物を収納する容器のこと。カスターセットと呼ぶ場合もある。
キャッシャー
会計をする場所やレジスター、またはその役割を行うこと。
ダスター
テーブルを拭く布巾のこと。
デシャップ
キッチンで出来上がったお料理を置く場所。または、キッチンとホールとの間で、コース料理の提供状況を把握して調整する業務。
トレンチ
お客様への料理やドリンクを運ぶ際に使用するお盆のこと。
ノーゲス
ノーゲストの略で、お店にお客様が一人もいないこと。
バッシング
お客様が帰った後にテーブルを綺麗に片付けること。
ハンディ
お客様からの注文を聞いて登録する小型の機械のこと。
ヒヤタン
お冷用のグラスのこと。
満卓
すべての卓(テーブル)が埋まっている状態のこと。カウンターが空いている場合には使わず、あくまでテーブル席が満席の場合に使う。
ヤマ
素材の在庫切れで提供ができないこと。売り切れの状態。
ラウンド
定期的に客席を回り、空いたお皿やグラスを下げたり、追加のお料理やドリンクの注文を促すこと。また、客席を巡回しながら空いている席をダスターで拭き上げたりすること。
飲食業界用語<キッチン編>
兄貴/弟
「兄貴」は古い食材、「弟」は新しい食材という意味。
ウェイスト
食材として提供しない部分や傷んでしまい提供できない部分を捨てること。
ウォッシャー
食洗機や洗い場の担当者、洗い場そのもののこと。
グリストラップ
厨房の床下にある排水口の手前に設置された油やゴミを集める装置。定期的に清掃をしないと衛生環境に問題が発生する。
掃除
食材の下処理を行い、すぐに調理できる状態にしておくこと。
ポーション
一皿の盛り付け量のこと。多すぎる場合はオーバーポーション、少なすぎる場合はアンダーポーションと言う。
チャンバー
食材を保管する大型の業務用冷蔵庫や冷凍庫のこと。
パントリー
ホールスタッフがお客様に提供するドリンクや料理、食器などを用意する配膳室のこと。
バックヤード
厨房裏や在庫置場、スタッフの荷物置き場といったようにスタッフだけが使用するスペースのこと。
同時同卓
同じテーブルのお客様が注文した料理を、同じタイミングで一緒に提供すること。
今回の記事では、飲食店でよく使われている言葉をホール・キッチン別に計25個紹介しました。新人スタッフが入ってきた時に、是非ご活用ください。