この記事では、総合食品卸だからこそ知っている食肉の雑学をお届けします。
テーマはプレコフーズが創業以来取り扱っている「鶏肉」について! なかなか日常では聞くことが出来ない話を集めてみました。
お客様との会話のネタになる話題もあるので、是非ご覧ください。
なぜ、ブラジル産鶏むね肉は日本に無いのか
日本国内に出回っている外国産の鶏肉のほとんどは、ブラジル・タイ・アメリカから輸入されています。特にブラジルからの輸入量は多く、2023年には実に約68%を占めています(※)。お使いになったことがある方も多いとは思いますが、ふと、不思議に思うことはありませんか。
それは「もも肉はよく見るが、むね肉を見たことはほとんどない」ということ。
日本ではむね肉より、もも肉の方が人気がありますが、実は、世界的に見るともも肉よりもむね肉の方が人気があります。そのため、生産国のブラジルはより高値で売れるように、むね肉は引き合いの強い国へと輸出しているのです。
国産鶏肉の親は国産ではない!?
国産鶏肉の流通についてご存じでしょうか。
一般的には、種鶏場でオスとメスを交尾させて有精卵を作り、孵卵場で卵を孵化させた後、鶏舎で育てた成鳥を出荷。食鳥処理場で屠鳥して脱羽し、部位ごとに分けられてから、卸売業者に出荷されます。
では、種鶏場で有精卵を作るための“親”はどこから来るのでしょう。
実は、親となる鶏(原種鶏)は、ごく一部を除きアメリカやイギリス、フランスなどから輸入されています(※)。つまり、国産鶏肉ではありますが、お父さんお母さんは外国産なのです。これは、海外産原種鶏の方が、産卵率が高く、また身体が大きくなるように改良されているという理由から。
ちなみに、日本においては食肉の生産国を示す「〇〇産」という表記は、最も長い期間育てられた国を表しています。
※国内で種を保有する必要性と重要性から、ごく一部の生産者が、純国産鶏の遺伝子を保有し、純国産鶏を生産しています。
丸鶏で入荷し手捌きで解体するプレコフーズ
プレコフーズのオリジナルブランド鶏は、一般的な若鶏と違い、産地から丸鶏で仕入れ、高い水準の衛生システムを備えた自社センター内で手捌き解体しています。
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むね肉ともも肉の価格が夏と冬で逆転するのはなぜ?
一般的に、むね肉の価格は夏に高くなり冬に安くなります。一方、もも肉は夏に安くなり冬に高くなる傾向があります。
これは、需要と供給のバランスで価格が決まるからです。
むね肉はサッパリとした味わいなので、暑い夏に需要が高まります。対して、もも肉は鍋やクリスマスなどでよく使われるため秋頃から需要が高まり価格が上昇、12月にピークを迎えます。
ただ、もも肉が夏に安いとは言っても、需要が全くないわけではありません。夏は焼き需要、つまり、焼鳥の人気が高まる季節でもあります。
焼鳥では、もも肉は定番ですが、その他にも様々な部位が食べられます。実は、これが夏に価格が下がる1つの要因でもあります。
例えば、砂肝は1個あたり30g程度。1串40gとすると2羽分使わなくてはなりません。もも肉は1羽分で約600gなので2羽分だと1,200g。30本の串が打てることになります。このように、もも肉は余りやすくなるので、価格が下がることが多いのです。
砂肝は年々小さくなっている!?
上記で砂肝のサイズについて触れましたが、実は年々小さくなっているのをお気づきでしょうか。
理由は2つ。
1つ目は育成期間。現在、一般的な若鳥は生後45日程度で出荷されていますが、一昔前まで50日~55日かけて育てられていました。そのため、砂肝が以前ほど大きくならなくなっています。
2つ目は餌。砂肝は胃の一部で、食べたものをすり潰す役割を持っています。しかし、餌の改良により、すり潰さなくても吸収できるようになったので、筋肉が発達しなくなりました。
いかがでしょうか。
卸だから知っている知識なので、初めて耳にする話も多かったと思います。
今後は牛肉や豚肉の雑学も紹介していく予定なので、ぜひチェックしてみてください。