食材の仕入れ先を探す際に大事なポイントとなる「小ロット納品」。必要な食材を必要な分だけ仕入れることは、コスト削減や鮮度管理のために非常に重要です。
プレコフーズでも新鮮な食材をお客様にロスなく使っていただくため、1,000円からの小ロットでご注文を承っています。この小ロット納品のスタイルは、どのように飲食店で役立っているのでしょう? 飲食店のリアルな声を知るべく、実際にプレコフーズのサービスをご利用いただいている人気店に取材を実施いたしました。
応じていただいたのは、東京都大田区池上駅近くのカレー専門店「カレーだしっ!池上本店」。オーナーを務めるのは、超カレーマニアのブロガーであるカレーマンさんです。レシピ本執筆やメディア出演など、マルチな活躍を続けるカレーマンさんに、小ロット納品への反響をお聞きしました。

【取材協力店舗/おだしのカレー専門店 カレーだしっ!池上本店】
〒145-0064 東京都大田区池上3-40-25
営業時間:11:00~21:00 定休日:火曜日(祝日は営業) ※2025年12月5日時点
カレーをこよなく愛し、1万食以上のカレーを食べ歩いたブロガーのカレーマンが運営するカレーライス専門店。出汁の美味しさに注目し、旨味とスパイスの組み合わせで絶妙な味わいを生む「出汁カレー」は唯一無二。共同オーナーを堀江貴文氏が務める。

チルド肉のクオリティを求めて始めた仕入先探し

自身がリスペクトするカレーの名店について熱く語るなど、あふれるカレー愛が止まらないカレーマンさん
「カレーだしっ!」の特徴はカレーソースに“出汁”を使用すること。奥深いスパイスの風味にやさしい出汁の味わいがさりげなく寄り添う、独創性あふれるカレーです。開業にあたって、フランチャイズ展開も視野に入れていたカレーマンさんは、まずは味を一定に保って提供できるようにしたいと考えました。そこで、誰でもメニューの味を再現できるように、最初は具材の肉を冷凍加工品でまかなう想定で店をオープンさせました。
「フランチャイズ展開を前提に誰でもできるオペレーション構築のための判断でしたが、求めていた品質のお肉がなかったですね。あっても、価格が合わない。味を考えるとやっぱりチルドの肉を検討せざるを得なくなりました」
こうして一部のメニューを皮切りに、チルド肉を使用しはじめます。ロットも少なく、足りないときに近所のスーパーで購入する仕入スタイルでしたが、チルド品質の効果はすぐに表れます。
「チルドの肉を使ったメニューのほうが単純に美味しくて、お客様の満足度も高かったですね。そうするとそのメニューがメインになって、使用する肉の量も増えてきます。従業員にその都度スーパーに行かせるのは効率が悪いし、原価のコントロールもしにくい」
店舗は普段1〜2人で回している小さな規模。オペレーションはほぼアルバイトだけで回しているため、スーパーでの仕入れも任せざるを得ません。その状況自体がクオリティにも影響してしまいます。
「そもそもスーパーだと欲しいグレードの肉がなかったり、クオリティが一定じゃないことがある。アルバイトスタッフが肉を間違えて買ってきたり、良かれと思って高級すぎるブランド牛肉を買ってきたりしたこともありました(笑)。これはどこか卸業者さんとお付き合いしないといけない、と思い始めました」
重視したのは小ロットへの対応+α

カレーマンさんの趣味のトライアスロン仲間である堀江貴文氏が出汁カレーを激賞。堀江氏に背中を押されてリアル店をオープンさせる。
そんな中、「カレーだしっ!」は立川に2店舗目の直営店を出す話が決まります。立川店の立地はデパートの中で、池上本店のように仕入れに使えるスーパーが近場にありませんでした。これを機に、両店舗の仕入れを効率的にひとつの業者に依頼できるよう、食肉の仕入先探しを本格的にスタートさせます。業者選びのポイントは、自分たちのスタイルに合う小ロットでした。
「クオリティを満たしたチルドの肉で、小ロット注文に対応できること。これを重視して業者を検討しました」
業者選びの際には、業界未経験ゆえに互いの共通言語が見つけられずコミュニケーションでもどかしい思いをすることもありました。そんな時にカレーマンさんはプレコフーズと出会います。
「Webでいくつかの業者に問い合わせて、“小ロットでこういう使い方したい”と相談しましたが、あまり色よい返事がもらえずメールだけの対応で終わることが多かったです。まず専門用語を知らない自分たちの言葉が正しいのかもわからない。そんな時にプレコさんは、営業さんが直接来て対面で説明してくれました。飲食のプロじゃない私たちの言葉を、丁寧に理解してくれる印象がありましたね。その親身さと小ロットへの対応してくれる点が決め手でした」
こうして「カレーだしっ!」はプレコのサービスを利用しはじめます。いちばん重視したのは小ロット納品への対応力でしたが、カレーマンさんがプレコを選んだのはもうひとつ理由があります。
「この先メニューのバリエーションを出していくことを考えると、仕込み代行までやってくれる業者が良かったんです。例えばステーキカレーをやりたい時に、肉をステーキカットで届けてくれるような。そういう将来像が一緒に描ける業者とお付き合いしたかった。プレコさんは仕込み代行もやっているため、そういった条件ともマッチしました」
小ロットからはじまる大きなメリット

「カレーだしっ!池上本店」は10坪・16席という規模。こだわりのカレーソースだけはセントラルキッチンで調理している。
こうしてプレコを仕入先として活用しはじめたカレーマンさん。そのサービスには多くのメリットを感じていただいているようです。
「配送がほぼ毎日ある点が助かっています。アルバイトが毎日在庫をチェックしますけど、漏れや間違いもある。そういう時にプレコさんは小ロットでもすぐ対応してくれる。それに加えて品質に安定感があります。一定のレベルを保ちたい中で満足できるクオリティです」
こまめに小ロットで発注するメリットは、収納スペースの問題や新メニュー開発にも好影響を与えています。
「収納スペースがない前提で少しずつ新メニューを試したいのに、いきなり大きいロットで“肉何㎏からのみ”となると、やりにくいですよね。それもあって、小ロット納品のスタイルが合っていると感じます。本番とブレがない品質でサンプル対応してくれるのもありがたいです」
プレコのクオリティが支える新メニュー

カレーをとろとろのチーズでコーティングして卵黄を載せたビジュアルが可愛らしいチーズキーマカレー
オリジナルの新メニューが多いのは「カレーだしっ!」の特徴です。今年7月に出たチーズキーマカレーには、プレコフーズから仕入れている挽き肉が使用されているそうです。
「挽き肉も難しい食材ですよね。スーパーで仕入れていた時に、味のブレが大きく感じたのは挽き肉でした。具体的には脂と赤身のバランス。これが個体や部位によって結構違うんです。プレコさんの挽き肉はバランスも良くて、ブレを感じたことはないですね」
出汁の風味が詰まったカレーには、挽き肉の食感をしっかりと感じることができます。なめらかなチーズとの相性も抜群で、濃厚な味わいながらしつこさはありません。この食べやすさこそカレーに出汁を使った効果。さらに出汁とのバランスで肉の選び方も変えているとカレーマンさんは語ります。
「お出汁を使うと、その旨味で味に厚みが出るので、脂を多く使わなくてもしっかり満足できる味わいになります。加えて、脂が多すぎるとお出汁の風味が殺されることがある。お出汁をカレーの前面に出したいときは、お肉の風味は欲しいけど脂はそこまで多くない方が良いです。逆にお出汁が裏方となるカレーの場合は、旨みの増強にお出汁を使うので、肉はもっとパンチを効かせたい。カレーの方向性やメニューによって違いますが、だいたいは脂が多すぎない肉を選びますね」
毎日食べたくなるカレー

左から「ラムカシミールカレー」「シン・おそば屋さんのだしカレー」「チーズキーマカレー」
出汁へのこだわりの裏側には、カレーマンさんが求める理想の味があります。
「一般的に、市販のカレールーは脂とアミノ酸の塊だから、カレーというのは基本的に重たいメニューになりがちです。だから、朝食にできるくらいのサラリと食べやすいカレーがあったらとずっと思っていたんです。そこでたどり着いたのがお出汁です。お出汁の旨味で味に厚みが出るので、脂をそんなに使わなくてもしっかり満足できる。スパイスの高揚感と出汁のホッとする安心感で、毎日食べてもいいなと思える。そんなカレーが理想なんです。」
出汁カレーが生まれた背景を、明確かつロジカルに説明してくれたカレーマンさん。「カレーだしっ!」のカレーには、出汁とスパイスに加えて理論と情熱も絶妙なバランスで配合されています。毎日食べたくなるその味に、小ロット納品から始まるプレコのサービスがお役立ちできている。そんな事実を知ることができた取材でした。
