※写真はイメージです。※本記事に掲載する情報は、2026年1月時点のものになります。
2025年11月、スペインでアフリカ豚熱(ASF)が発生。日本政府は、スペイン産豚肉の輸入を一時停止しました。スペインは業務用の豚バラ肉などで高いシェアを誇り、2024年の実績では日本における冷凍豚肉の輸入量で約30%を占める重要国です(※1,豚肉輸入量全体では約18%)。そのため、スペイン産の輸入停止措置が他国を含めた豚肉価格相場全体の急上昇をもたらしているほか、イベリコ豚やハモンセラーノなどスペインならではの豚肉加工食材の供給も現時点で見通しが不透明な状況です。
これほどの影響を及ぼすアフリカ豚熱とはいったいどんな病気なのでしょう?
(※1)農畜産業振興機構(2026/1).「豚肉の輸入動向」. https://lin.alic.go.jp/alic/statis/dome/data2/i_pdf/30301a-30303c.pdf
世界規模で流行するアフリカ豚熱、もし発生すると?
アフリカ豚熱はイノシシ科動物の伝染病で、人間には感染しないものの、その強い感染力から日本では「海外悪性伝染病」(※2)に指定されています。
そもそもはアフリカ大陸のサハラ砂漠以南で発生する風土病として知られ、ヨーロッパ・中南米の一部地域でも散発的な流行と鎮静化を繰り返してきました。ところが2007年に黒海沿岸の国、ジョージアで発生して以降、ウイルスはロシア、東欧を経由して現在ではヨーロッパ全域、アジアにまで広がっています。2025年11月末時点において80か国以上で報告されており、蔓延による感染拡大が世界各地で深刻化しています。
そして、アフリカ豚熱は一度発症すると、その致死率はほぼ100%。有効なワクチンが存在しないため、アフリカ豚熱を発症した豚は、隔離と殺処分しか手立てがありません。発生した国の畜産業に壊滅的な打撃を与えるウイルス、それがアフリカ豚熱なのです。
(※2)国内には発生しないが万一外国から侵入した場合は畜産産業に莫大な損害をもたらすおそれがある伝染病をいう。
なぜ輸入停止になるのか?
アフリカ豚熱が厄介な点は、自然環境下での耐性が強く、様々な感染ルートがあること。豚同士による濃厚接触のほか、ダニを媒介とした野生イノシシからの感染、ウイルスを含む餌の摂取などから豚に感染します。さらにこのウイルスは冷凍された状態や、生ハム・生ソーセージなど非加熱加工された状態でも長期間にわたり生存することが確認されています。
こうしたウイルスの特性もあり、流行の収束を判断するには長期間の経過観察が必要です。WOAH(国際獣疫事務局)の基準に従えば、国際的にアフリカ豚熱を根絶した清浄国と認められるには、過去3年間にわたり国内の飼養豚で病気の発生がないことなど厳しい条件が設定されています(感染にダニの関与がない場合は1年間)(※3)。ドイツは2020年から、イタリアは2022年から輸入禁止措置が取られ、いまだに解除されていません(※4)。
2018年に中国、2019年に韓国でアフリカ豚熱が報告され、昨年10月には台湾でも発生。アジア圏での未発生国は日本のみとなりました。日本にとってはウイルスを含む可能性のある食材を持ち込まない水際対策が重要です。非常に長期にわたり大きな影響をもたらす病気であり、今回も早急にスペイン産豚肉の輸入停止措置に至りました。この輸入停止措置がいつ解除されるのか、分からない状況です。
(※3)食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第99回牛豚等疾病小委員会(2024/11).「(参考資料)カナダASFゾーニング」https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/eisei/usibuta_sippei/241107/attach/pdf/241107-4.pdf
(※4)動物検疫所. 「偶蹄類動物の畜産物(ヨーロッパ、ロシア(NIS諸国を含む))」.https://www.maff.go.jp/aqs/hou/require/sub2.html
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(※5)「SPF」とはSpecific-Pathogen-Free(スペシフィックパソージェンフリー)の頭文字をとった略字で「特定病原体不在」という意味。「SPF豚」は、日本SPF豚協会が定めた基準に基づいて徹底した飼育コントロールのもとで育てられた豚肉。
【参考文献】
・農研機構(2020/11).「ASF(アフリカ豚熱)」.https://www.naro.go.jp/laboratory/niah/asf/index.html
・農研機構.「特集1海外からの侵入を防ぐ アフリカ豚熱」.広報NARO №22.https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/responsive/naro/naro22-cont03.html
・農林水産省(2025/12).「アフリカ豚熱(ASF)について」https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/asf.html
・農林水産省(2025/6).「ASF(アフリカ豚熱)の対応強化に係る関係省庁申合せについて」https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/attach/pdf/250324-20.pdf
・伊藤裕規子(2025/12).「ビジネス短信 スペイン、アフリカ豚熱発生、欧州と中国は感染地域のみ輸入停止」. 日本貿易振興機構.https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/12/a799307b9f82135a.html
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