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飲食店の新メニュー開発の重要性|お客様の再来店を促す開発のコツを紹介

飲食店経営において、新メニューの開発は売上向上の重要な鍵となります。競争が激化する飲食業界で、お客様に選ばれ続ける店舗になるためには、定期的なメニューの見直しと開発が欠かせません。
本記事では、お客様の再来店を促す新メニュー開発のコツを具体的に解説します。店舗コンセプトに基づいた開発方法から、実際に成功した事例まで幅広くご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。

この記事を書いた人
橋本 淳 44歳

飲食企業の現役総料理長。副業でWebライターとして活動中。現在6年目。
料理人歴 25年目
日本料理:7年
イタリア料理:3年
居酒屋/やきとり/などの大衆料理:15年

魅力的な新メニューの開発はお客様の再来店を促す!

新メニューの開発は、単に品数を増やすだけの作業ではありません。お店のコンセプトやターゲット層に合った独自性のあるメニューを考案することで、顧客満足度が向上し、リピーターの獲得につながります。
飲食店にとって新規顧客の獲得も大切ですが、既存のお客様に何度も足を運んでいただくことが安定経営の基盤となります。その際、定番メニューだけでは、どうしても飽きが生じてしまいます。そこで重要になるのが、季節限定メニューやイベントメニューの開発です。
春には桜をモチーフにした料理、夏には涼を感じる冷製メニューなど、季節感を取り入れることでお客様に新鮮な体験を提供できます。定番メニューという安心感と、新メニューという期待感の両方を提供することが、お客様の再来店を促す秘訣といえるでしょう。

新メニュー開発のコツ

効果的な新メニュー開発には、押さえておくべきポイントがあります。以下では、成功につながる5つのコツを詳しく解説していきましょう。

店舗のコンセプトを基準に、目的を明確にする

新メニュー開発で最も重要なのは、店舗のコンセプトから逸脱しないことです。健康志向のカフェが突然こってりしたラーメンを提供し始めたら、お客様は困惑してしまうでしょう。
開発の目的を明確にすることも大切です。新規顧客の獲得なのか、客単価の向上なのか、または話題性の創出なのか。目的によって開発すべきメニューの方向性は大きく変わります。明確な目的設定により、効果測定も容易になり、PDCAサイクルを回しやすくなるでしょう。

新メニューの需要とお客様のニーズを把握・分析する

お客様が本当に求めているメニューを開発するには、綿密なニーズ分析が不可欠です。アンケートの実施やSNSでの反応確認、スタッフからのヒアリングなど、さまざまな方法で情報を収集しましょう。
過去の売上データを分析することも有効です。どの料理がよく注文されているか、どの時間帯にどんなメニューが人気なのかを把握することで、新メニュー開発のヒントが得られます。トレンドを追いかけることも大切ですが、自店舗のお客様が本当に求めているものを見極める視点を忘れてはいけません。

ネーミングと見た目にもこだわる

SNS時代の現在、料理の見た目は以前にも増して重要になっています。「インスタ映え」という言葉が定着したように、視覚的な魅力は集客に直結します。
ネーミングについても工夫が必要です。「とろ~りチーズの○○」「ふわふわ卵の○○」など、食感や状態を表現する言葉を入れることで、お客様の食欲を刺激できます。地域の特産品を使用している場合は、その産地名を入れることで付加価値を高められるでしょう。

他店との差別化

競合店との差別化は、選ばれる店舗になるための必須条件です。独自の調理法や珍しい食材の使用はもちろん、健康志向や環境配慮といった付加価値も差別化要素になります。
たとえば、地元農家と契約して新鮮な野菜を使用する、アレルギー対応メニューを充実させる、プラントベースの選択肢を増やすなど、時代のニーズに応える工夫が求められます。差別化は奇をてらうことではなく、自店ならではの価値を明確に打ち出すことが重要です。

仕入先と利益を確保する

どんなに魅力的なメニューを開発しても、安定的な仕入れができなければ継続的な提供は困難です。新メニュー開発の際は、必ず仕入先の確保と原価計算を行いましょう。
原価率は一般的に30%前後が目安とされていますが、メニュー全体のバランスを考慮することが大切です。原価率が高いメニューがあっても、他のメニューで利益を確保できていれば問題ありません。継続的に提供できる体制を整えることが、お客様の信頼獲得にもつながるでしょう。

再来店につながった新メニュー開発の実例

ここからは、実際の店舗で成功した新メニュー開発の事例をご紹介します。

事例:お客様満足度の向上と単価アップを狙った新メニュー開発

東京都内の繁華街に位置する全80席の大型串焼き居酒屋での事例です。この店舗は「大衆向けの串焼き居酒屋」をコンセプトに、平日はビジネスマン、週末は家族連れをメインターゲットとして営業していました。
2023年春、客単価の向上とメニューの充実を目的に新メニュー開発に着手。以前から、競合店と差別化を図れる新メニュー開発を予定していましたが、近隣にイタリアンバルがオープンし、客足が鈍ってきたことをきっかけに実行した形です。
また、スタッフからのヒアリングで「女性が好きそうなおしゃれなメニューも欲しい」というお客様の声が多いことを把握していたため、新メニューは、競合店と差別化しつつ需要を捉える、バルのようにおしゃれなメニューを開発することにしました。

具体的には「鶏もつのアヒージョ(880円)」と「しらすのピザ(780円)」を新たに投入。「鶏もつのアヒージョ」は串焼き店ならではの新鮮な食材をアピールでき、熱々の耐熱容器でグツグツと音を立てながら提供することで五感に訴える演出もできるほか、鶏もつのアヒージョは、決められた材料を耐熱容器に入れてオーブンで加熱するだけという簡単なオペレーションで提供可能です。しらすのピザも同様に、調理工程をシンプルにすることで、忙しい時間帯でもスムーズに提供できるよう工夫しました。

結果として、新メニュー導入後のリピート率は110%に上昇。お客様からは「いつもの串焼きも楽しめるし、新しいメニューも試せて嬉しい」という声が寄せられました。客単価も4,500円から5,000円へと約11%向上し、売上増加に大きく貢献しています。

この成功の要因は、店舗のコンセプトを維持しながら、お客様の声をしっかりと把握し、見た目や演出にもこだわった新たな価値を付加できたことにあります。調理オペレーションの簡素化により、スタッフの負担も増えることなく、サービスの質を保ちながら新メニューを提供できたことも成功の鍵となりました。

まとめ

飲食店の新メニュー開発は、お客様の再来店を促し、売上向上につながる重要な取り組みです。成功のポイントは、店舗コンセプトを軸に据えながら、お客様のニーズを的確に捉え、他店との差別化を図ることにあります。
ネーミングや見た目にこだわり、安定的な仕入れ体制と適正な利益を確保することも忘れてはいけません。定番メニューと新メニューのバランスを保ちながら、お客様に新鮮な体験を提供し続けることが、選ばれ続ける店舗への道となるでしょう。
今回ご紹介した開発のコツと実例を参考に、ぜひ自店舗でも効果的な新メニュー開発に取り組んでみてください。

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