「大麦仕上三元豚」は、ハイレベルな肉質・味わい・香りでプレコフーズのお客様から熱い支持をいただいているカナダ産チルドポークです。
2025年、世界中の優れた食品を認定・表彰する国際機関「iTi」より最上位評価となる三ツ星を7年連続受賞するなど、確かなクオリティが高く評価され続けています。プレコでも大人気を誇る大麦仕上三元豚。その出荷数量は、取扱いスタートした2018年度から2024年度にかけて200%以上も伸長しています。まさに我々と成長の歩みを共にしてきたと言える、大ヒット商品です。
今回、この大麦仕上三元豚の新商品として「ヒレ」がリリース。
そして、ラインアップがますます充実したこのタイミングで、大麦仕上三元豚のさらなる魅力をお客様に伝えるべく、産地であるカナダへの訪問を実施しました!
訪れたのはカナダ中西部のアルバータ州レスブリッジにある専用の加工工場。優れた豚肉をお客様に届けるための交渉はもちろんのこと、生産環境や加工現場の現状をくまなく視察し、徹底リサーチを行いました。産地の様子とともに、大麦仕上三元豚の美味しさがどこから来ているのか、特別にレポートさせていただきます。
長期肥育とハイグレードな大麦

ランドレース種と大ヨークシャー種を交配した雌に、デュロック種の雄をかけ合わせたのが大麦仕上三元豚
レスブリッジ工場があるアルバータ州南部は、ロッキー山脈の麓に位置する雄大な自然が美しい土地。地平線広がるプレーリーや、そびえたつ巨大な山々を目の当たりにすると「自然に抱かれている」という言葉は、まさにこのための表現だと実感できます。
山からの澄んだ雪解け水にも恵まれた豊穣な大地で、大麦仕上三元豚は契約農家の手でじっくりと丁寧に肥育されます。一般的な輸入豚の肥育期間は約150日ですが、大麦仕上三元豚は約170日間の長期にわたる肥育を実施。急いで大きく育てた豚肉の細胞は調理時に壊れやすくなるのですが、長期肥育の豚は細胞膜が細かくしっかりと育ち、それがきめ細かな肉質を生み出しているのです。

(左上)偉容を誇るレスブリッジの豚舎(左下)飼料となる大麦(右)うずたかく積まれた干し草から規模の大きさが伝わる
加えて、豚たちが食べる飼料も重要なポイント。通常だと豚の飼料はコストを抑えてトウモロコシ主体のエサを与えることが多いのですが、大麦仕上三元豚はその名の通り大麦中心の飼料を与えて育てています。
トウモロコシよりコストはかかるものの、大麦をエサにすることで、豚たちは酸化しにくい良質な脂肪を蓄えるようになります。その結果生まれるのが、臭みを抑えた雑味のない風味。人が食べても安全なレベルのハイグレードな大麦が、焼けば芳醇な香り広がる上質な豚肉を育むのです。

広大な麦畑で快く写真撮影に応じてくれた契約農家の方
肉の鮮度を劣化させない皮はぎ

整然と並ぶ解体加工前の大麦仕上三元豚
レスブリッジ工場は、日本向けの豚肉に特化した加工工場。「皮はぎ」方式の加工が可能な設備をもつ、北米では珍しい工場です。
輸入豚肉の主流となる処理方法は「湯はぎ」方式。これは、枝肉に解体する前の豚を70〜80度のお湯につけて体毛を柔らかくして掻き取る方法で、さらに高温のバーナーを使って表面を炙って残りの毛を処理します。機械と燃料のみの低コストで大量に加工できますが、急激な温度変化が加わるため、どうしても肉質にダメージが出てしまうというデメリットもあります。
一方で、レスブリッジ工場が採用する「皮はぎ」は、徹底した衛生管理の下で一頭一頭の皮を剥ぐ方式。一切の熱処理は加えず、生のまま皮を剥いで冷蔵します。皮はぎはコストと時間がかかるものの、急激な温度変化がないため、肉質が落ちにくいという技術です。

(左)腕と肩ロースの分割加工(中央)一本一本手作業で丁寧に行われる脱骨作業(右)真空パック処理でチルドのまま品質を60日間保持
工場では大麦仕上三元豚と一般的な他ブランドのチルドポークを比較させていただく場も設けられました。実際に2種の豚肉に包丁を通してみます。まずは大麦仕上三元豚。その肉に包丁を入れると、弾力ある感触が伝わってきます。身の詰まったしっかりとした肉質は、長期肥育のたまものです。

2種の豚肉をカット。奥側の赤身が濃い肉が大麦仕上三元豚。カットしている他ブランドのチルドポークも決して悪い肉ではないが…。
一方、現地で購入した他ブランドのチルドポークをカットすると、ドリップの多さが目につきます。脂の色も黄色がかっていて、大麦仕上三元豚と比べると全体的に肉質にメリハリがない印象です。
断面を比較すると大麦仕上三元豚の盤の高さ、表面のツヤの差は歴然。試食をすると、他ブランドのチルドポークがパサついた食感なのに対して、大麦仕上三元豚はジューシーで、肉質の保水力の高さが伝わってきます。脂の甘味・旨味も際立ち、改めて大麦仕上三元豚の上質さを再確認する機会となりました。

大麦仕上三元豚(左)と現地購入したチルドポーク(右)。脂肪の入り方、肉の厚みが違う!
コストより追求したいもの
麦主体の飼料に約170日間の長期肥育、そして肉質を劣化させない「皮はぎ」加工。
ひとつひとつのこだわりが大麦仕上三元豚の他と一線を画する高いクオリティと結びついています。
その結果生まれるのが、きめ細かく保水力の高い赤身と、弾力ある脂身を持つ引き締まった肉質です。
カナダを訪れた私たちを圧倒した、スケールの大きな自然と優れた生育環境。肥育から加工までの現場を目の当たりにしてひしひしと伝わってくるのは、コストよりも上質な味と品質を追求したい、という作り手側の真摯な想いでした。プレコフーズも、より多くの飲食店の皆様に、大麦仕上三元豚の背景にある生産者の方々の想いを届けていきたいと考えております。
肉卸が自信を持っておすすめする大麦仕上三元豚、そのクオリティの違いをぜひともご活用ください!