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食品の安全・品質

ココがスゴい!ニッポンの「卵かけごはん」

日本のソウルフード

ほかほかのごはんに卵を割り落とし、醤油を垂らしてかき混ぜるだけ。
卵かけごはん」は、どこでも手に入る食材とシンプルな調理法、そしてその美味しさゆえに今も昔も日本中の家庭で食べられてきました。昨今では「TKG」の愛称で親しまれ、専門店が登場したり、専用の米や醤油などが売られたり等、大きなブームとなっています。まさに日本のソウルフードとも言える卵かけごはんですが、海外から見ると「卵を生で食べる」ことにかなりの違和感があるようです。

卵の生食は危険行為!?

卵は世界の多くの地域で親しまれている食材ですが、一般的には加熱調理して食べられます。
かつての大ヒット映画『ロッキー』には「主人公が生卵を一気飲み」する有名なシーンがありますが、日米の観客で反応が大きく異なりました。日本では厳しいトレーニングを象徴づけるシーンとして強い印象を残しましたが、アメリカではそもそも卵を生で食べないため、そのシーンが観客に与えたインパクトはより強く、一部では悲鳴が上がるという反応もあったようです。
では、なぜ卵の生食は避けられているのか。
それは、食中毒を引き起こす可能性がある危険な行為と考えられているからです。

 

食中毒の原因は「サルモネラ菌」

卵による食中毒の原因の1つに、動物の体内などに存在するサルモネラ菌(SE)があります。

サルモネラ菌は、鶏が卵を産む時に糞便などを通して卵の殻に付着、また卵内部へ侵入することがあります。これがヒトに感染することで食中毒が起こるのです。
そのためアメリカでは、疾病対策予防センター(CDC)により、卵を食べる際は手先や調理器具などの洗浄・冷蔵保存・加熱調理が推奨されています。

安全な日本の卵

アメリカをはじめ、世界では加熱して食べられている卵。それがなぜ日本では生食されているのでしょうか。
そもそも日本は、世界でも珍しい「生食文化」のある国。卵かけご飯も、古くから(一説によると明治時代から)食べられてきました。
しかし、1990年代に卵のサルモネラ菌による食中毒が急増(※2)。そこで、卵を生食することを前提として、農林水産省・厚生労働省など、国を挙げた衛生対策がとられるようになりました。
現在では、輸入時の検疫強化・施設の洗浄・消毒、出荷前の卵殻の洗浄など、徹底した衛生管理が行われています。食品安全委員会によれば、卵内部についてはサルモネラ菌に汚染された市販卵の確率はわずか0.0027%程度と推定されており、世界でも有数の衛生管理体制になっているのです。(※3)

「卵かけごはん」は日本の食文化の集大成

近年、安全で美味しい日本の卵は海外からの人気も高く、香港やシンガポールなどアジア地域への輸出が増えています。訪日観光客の間でも、自国ではなかなか食べる機会のない卵かけごはんは人気のグルメとなっていて、インターネットでは海外の人による食レポも多く見かけます。
私たちが当たり前に食べている卵かけごはんは、日本の生食文化と美味しいお米、そして徹底的に衛生管理された安全な卵により創り出されています。世界に誇るべき「日本のごちそう」と言えるでしょう。

※1 CDC(Centers for Disease Control and Prevention)サルモネラと卵についての記事

※2 農林水産省 鶏卵の生産衛生管理ハンドブックより

※3 農林水産省 市販鶏卵のサルモネラ汚染状況調査の記事

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