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集客術

取材記事/名シェフが語る効率化の落とし穴

後楽園駅から小石川の商店街へ10分程歩いた左手には、優しいエビフライのイラストが描かれた小さな立て看板。街の景観に溶け込むさりげない看板の後ろに、細い螺旋階段が2階へと続いています。扉を開けると、パン粉が揚がる香ばしい香りとともに、誰もが知るグルメガイドの受賞を連続獲得した証が並んでいます。

たった1人で厨房に立つ田苗見シェフは、著名な洋食の名店で修行を積んだのちに独立。開店の際には、かつての修行先に通い詰めた熱狂的なファンたちが歓喜したことでも知られています。
そんな有名店にも関わらず『フリッツ』の人員体制は、厨房1名、ホール1名です。
よほど手間を削減する秘訣があるに違いない———。と、取材を依頼したことが今回の経緯。しかし、田苗見シェフからは「いや、あまり手間は削減していません。うちはカット野菜とか、加工品なども使っていない。プレコさんから、美味しい野菜や美味しい卵を届けてもらって、それだけです」と、まるで逆の言葉が返ってきました。
しかし飲食店経営を継続する事において、コストパフォーマンスや効率は重要なポイント。では何故、厨房1名にも関わらず、手間の削減を積極的に行わないのでしょうか。

「お客様に評価されないと、店は成り立ちません。そしてお客様に来ていただくためには、こだわりが必要です。店としても料理人としても。
手間を削減する際の“これでも大丈夫だろう”という妥協は、結果的に命取りになります。そのためにも、妥協ではなく、こだわりをもった正しい選択が必要だと思います」

田苗見シェフによるストレートな提言。お客様に評価しつづけていただくための判断とは何か。妥協ではない手間の削減とは何か。改めて具体的に伺ってみました。

【取材協力】フリッツ/シェフの田苗見 賢太様
「洋食のフライに特化しているからこそ、味のクオリティも高められるし、お客様にも伝わりやすい。コロッケと聞いて、お客様は味を連想しやすいですよね。そういう分かりやすさ、みたいなものも料理には大切じゃないでしょうか。何が何だか分からない料理を注文するのは、勇気がいるので」
『フリッツ』文京区小石川2-25-16 LILIO小石川 2F Tel : 03-3830-0235

 

下調理済加工品を使わない。下処理はまとめる・分ける

 手間の削減としてよく用いられるのが、下茹で済の肉や炒め調理済の玉ねぎなど。前述の通り、フリッツでは、このような調理済の食材は一切使用していません。

「しかし当然、効率は重視しなくてはいけません。そのために、複数の下茹で作業はまとめて行ったり、炒め作業は同時に行ったりと、同じ作業をとりまとめることが効率化に繋がります。また、例えばコロッケのタネを作るための作業を1から10まで一度に行ってしまうと、長い時間を要してしまいますから、1つのメニューにおける仕込みを小分けにすることも、効果的です。まずは挽肉を炒めておき、同様に炒める調理があるものは同時に行う。次のタイミングで、じゃがいもを下茹でし、他の食材も茹で調理を行う、といったことです。同じ作業量でも、進め方によって、効率はまるで異なります」

プレコフーズが届けるメークインを使用したコロッケのタネ。メークインならではのねっとりとした食感に、ごろっとした肉がたっぷり入っている。

味・衣付け水産品を選ばない。良質な冷凍物を選ぶ

フリッツの人気メニューの1つが、エビフライです。サクサクの軽い衣をかじると、ぷりぷりの大きな海老が口の中で弾ける人気メニュー。味付きや衣付きになった、便利な水産加工品はたくさん存在しますが、田苗見シェフは選びません。

「その代わりに、鮮度の良い海老を尾付きのまま瞬間冷凍した、良質な冷凍海老を使用しています。水揚げに左右されず、安定して仕入れる事ができ、いつも美味しいエビフライを調理して、お客様にご提供することができます」

カット野菜を仕入れない。高機能の機械を導入する

店名通り、フライ料理が中心となるフリッツのメニュー。サクサクの衣と相性が抜群の千切りキャベツは欠かせないアイテムですが、メニューに添えられている千切りキャベツは常につやつやと瑞々しく、ふんわりとした山を保っています。

「キャベツの千切りカット済商品は仕入れていません。代わりに、生のキャベツを入れて自動的に千切りする機械を導入しています。初期投資は確かにかかりますが、生の甘いキャベツを、瑞々しい切りたてで提供することができる。フライにおいて、千切りキャベツの美味しさは本当に重要なんです。カット済のキャベツを選ぶということは、フライ料理店としてのこだわりを後回しにした選択だと思うんです」

成功に導く「選択」とは

 コロナ禍でも、フリッツにはお客様が通い、多忙な毎日が続いていました。その理由を田苗見シェフは次のように語ります。

「フリッツでもテイクアウトを行っていましたが、お店で提供している味と同じものを楽しめるメニューにしました。たくさん売りたいからといって、オペレーションを省いて味のクオリティを下げたりしない。色々なものを提供したいからといって、メニューをやたらと変えたりしない。店のメニューとして軸がある、きちんと美味しい料理を提供することが大切です。

そして、社会情勢や仕入れ値の変動が少しあっても、やみくもに価格を上げたり下げたりしない。まずはしばらく我慢して、お客様を振り回さない。本当に難しくなってから、初めて価格を調整する。お客様に通っていただくお店でいるためには、味も、メニューも、価格も“我慢する”という選択がとても重要です」

フリッツのメニューボード。フライ類は1つからオーダーすることが出来るため、好みに合わせた自分だけのフライ盛合せを楽しむお客様が多い。

料理人として経営者として、正しい選択をし、その決断からブレずに行動する。
田苗見シェフのお話からは、強い意志と成功体験を生んだ「選択」の重要性が伝わってきました。

最後に

プレコフーズがフリッツ様にできることは、決して多くはありません。
しかし田苗見シェフが、プレコフーズによる独占取材を快諾してくださったのは何故でしょうか。

「プレコさんの美味しい野菜。美味しい卵。いつも美味しい食材を届けてくれて、助かっています。それで充分なんです」

田苗見シェフのようなこだわりを持つ料理人に、美味しい新鮮な食材を届ける。
“食品卸”としてのプレコフーズが全うするべき、根幹である役割の重要性を再認識する取材となりました。

フリッツの店内は細長く座席が配置されており、田苗見シェフが厨房からお客様の様子を見渡すことができる。

これからも、プレコフーズは飲食店様のこだわりを支えるべく、確かな食材を厳選し、厨房までお届けします。本記事にて興味を持ってくださった方、ぜひプレコフーズにお問合せください。

プレコフーズへのお問い合わせはこちら▼▽▼▽

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