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月間出数1700本! 繁盛店の看板メニュー「つくね」はどうやって作られたのか

神奈川県川崎市。登戸駅の生田緑地口を降りると、目の前に見える『鐵の家〈てつのや〉』。入口の右手には、『備長炭 卵黄つくね』の文字が大きく書かれた木製の看板が掲げられています。

『鐵の家』は、19年続く焼鳥居酒屋。小田急線とJR南武線が交差する登戸駅の目の前という利便性の良い立地も手伝い、店内はいつも酔客で賑わっています。
メニューには、焼鳥をはじめ、お刺身や日替わりメニューなど豊富なラインアップが並んでいますが、看板に掲げられている「つくね」は、お客様の7割が頼むという逸品。出数では月間約1,700本と、売上に大きく貢献している文字通りの看板メニューです。

実は、この超人気メニューのつくね、2005年の開店当時から続いているものではなく、現在店長を務める青木辰徳様が改良を重ねながら開発したもの。今回、その開発の裏側を青木様に伺いました。

【取材協力】『鐵の家』
登戸駅前に店を構える古民家風居酒屋。つくねと刺身、日本酒の品揃えが人気。地元民や仕事帰りの会社員、シニア層など幅広いお客様に愛されている。客単価は4000~4500円。

店のコンセプトに沿ったつくね

言うまでもなく、つくねは焼鳥店の定番メニュー。お客様が食べ慣れているだけに、他店と差別化を図るには絶対的な違いが求められます。ハードルは決して低くないはずですが、
なぜ、看板メニューに選んだのでしょうか。

「『鐵の家』のコンセプトは『まるで田舎に帰ってきたような古民家風居酒屋』。ですので、料理も“手作り感”や“手間ひま感”が出るようにこだわっています。私が店を引き継いだ2009年、このコンセプトが活きる焼鳥のメニューを、と考えたのですが、その答えが手ごね感のあるつくねだったんです」

『鐵の家』店長を務める青木辰徳様。

 

 他店とは一線を画するつくね

『鐵の家』のつくねは、香ばしい炭の香り、歯応えを感じる肉の食感、ヤゲンナンコツのアクセント、コクのあるジューシーな肉汁が特徴です。このうち、特に際立っているのは肉の食感を楽しめるということ。つくねは、一般的に柔らかな食感のものが多いという印象がありますが、それとは確かな違いを感じます。口コミグルメサイトに投稿されている『鐵の家』のつくねを絶賛する数々のコメントを見れば、差別化に成功していることは明らかです。
では、このつくね、どのように作られているのでしょう。

「『鐵の家』のつくねは、つなぎを一切使わず、もも・むね・ヤゲンナンコツ・せせり・鶏脂の5種の挽肉を混ぜ合わせて作っています。手作業でこね、1串分ずつに分けて丸めるまでが開店前の仕込み。注文を受けてから串に刺して炭で焼いています」

仕込みを撮影させていただいた。ヤゲンナンコツ・せせり・鶏脂と希少部位を配合していることにこだわりを感じる。

手でこねて1串分ずつに分けて丸めるところまでが仕込み作業。1日3~40分程度かけるという。

注文を受けてから、串に刺し炭で焼き上げる。

お客様の7割が頼むという看板メニューの「卵黄 つくね」。

 

プレコのオーダー挽肉一覧

改良に改良を重ねて完成

作り方を伺い、特徴的に感じたのは、つなぎを使っていないこと、希少部位を使用していること、の2点。青木様は、この作り方に至るまでに長い年月を要したと言います。

「つなぎを使うとふわっと柔らかな食感になりますが、手作り感を出すには、もっと肉本来の味わいを感じるつくねの方が良いと考え、つなぎを使うのをやめました。また、肉そのものの食感を味わえるように、ももとむねは他の部位よりも粗い挽肉に変更。ただ、その割合が多すぎると、求めているジューシーさはなくなってしまうので、補うためにせせりや脂を加えました。加熱方法も、蒸してみたり、網で焼いてみたりと試しましたが、ジューシーさを失ってしまったので、炭の熱を直接当てる今の焼き方に。理想に近づけるために、およそひと月に一度の頻度で改良を加えていたのですが、結果2年くらい経っていましたね」

プレコのオーダー挽肉一覧

「美味しい」だけでは看板メニューにならない

こうして作り上げられたつくねは、評判も上々。自信を持って看板を掲げたそうです。ただ、青木様がつくねを看板メニューとして確立するための工夫は味わいの向上だけではありませんでした。

「メニューの中に「つくね」というカテゴリーを作ることで、つくねの店であるという印象を深めるという仕掛けを施しました。つくねは、「卵黄」以外にも「大葉たっぷり梅肉」「明太マヨつくね」「柚子胡椒つくね」「くるみみそ」「月替わり」と計6種の味わいを選ぶことが出来ます。常連の方もいらっしゃいますし、飽きられたくないというのも、もちろんあります」

メニューを開くと、絶対目に入るつくね。数種の味を用意することで、メニュー内のスペースを大きく取るのも青木様の工夫。その左に並ぶ『金剛串』は、せせり、ハツ、皮、レバー、もも肉を1本の串に刺す変わり串。こちらも人気のメニュー。

左から「くるみみそ」「大葉たっぷり梅肉」「柚子胡椒つくね」「明太マヨつくね」。

取材日当日の月替わり「ふきみそ」。4~5週に一度変更しているそう。

大切なのは「挽肉の鮮度」

開発の努力や売るための工夫が功を奏しているのは明白ですが、つくね作りにはもう1つ大切なものがあると青木様は付け加えてくれました。

大切なのは、挽肉の鮮度です。鶏肉は2~3日も経つとすぐに臭いが出ますよね。ジューシーさもなくなりますし。挽肉なら、なおさらのことです。『鐵の家』の肉本来の旨みを感じられるジューシーなつくねは、鮮度の良い挽肉があってこそ。つくねに使う挽肉はすべてプレコさんから仕入れていますが、プレコさんは鮮度の良い挽き肉をその日に使う分だけ毎日持ってきてくれる、それはつくねを大きく謳っている『鐵の家』にとって重要なファクターです」

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『鐵の家』のつくねが人気看板メニューになった裏側には、店のコンセプトを貫き、定番メニューでも他店と差を出すために、妥協せず追求を続けた経緯があることが分かりました。

『鐵の家』の売りは、古民家風の内装、鮮度の良い刺身、日本酒の品揃えなどつくね以外にも様々ありますが、コンセプトからズレているものはありません。この一貫性が、居心地の良さを生み、料理を一層美味しく感じさせている、その結果、お客様の満足度を高めているのだと考えられます。改めて、コンセプトの重要性を知る取材となりました。

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